7月2日〜4日、京都・みやこめっせおよびロームシアター京都で開催されたIVS KYOTO 2025は、「Reshape Japan with Global Minds」というテーマのもと、グローバル視点での日本スタートアップの再構築を目指すセッションが多数登場しました。
1日目に開催されたセッション「日本で起業する前に知っておくべきこと」では、弊社代表のJoshua Flanneryが登壇、外国人起業家にとって実践的なアドバイスを提供しました。
パネリスト・モデレータ
- モデレーター:Shun Ono 氏(株式会社Zero-Ten Park)
- スピーカー:西浦 亮 氏(Deel)、梅澤 高明 氏(CIC Japan)、渡邊 麻梨沙 氏(ニューサウスウェールズ大学)、
- Joshua Flannery(Innovation Dojo Japan CEO)
「禅」から学ぶ、日本市場参入の心得
- “暗黙のルール”を武器にする
スライドに載っていない日本企業の期待や行動様式を理解し、それを否定せず活用する。外国人起業家が“日本化”する必要はなく、むしろ新しい視点をもたらすことで差別化と新た価値提供が可能。 - “二面性”戦略
自身のバックグラウンドと強みは保ちつつ、現地の基準や文化に精通したシニア日本人パートナーを採用・提携し、柔軟かつ信頼ある進出を図る。 - 沈黙=同意ではない
丁寧な“ちょっと難しいですね”には要注意。必ず二重確認を行い、空気を読みつつも明確な意志疎通を心がけることが重要。
実践的な参入チャネル
- 都市の行政支援プログラム:神戸・福岡・京都などの”ソフトランディング”プログラムを活用。
- 大学との共同開発:大学の研究成果を活用し、アカデミアとの共同事業へ。
- 企業との実証実験(PoC)&アクセラレータプログラム:「契約獲得」ではなく、「信用構築」の第一歩として取り組む。
- カントリーマネージャー:、単独で進出するよりも、バイリンガルの現地マネージャーとともに動くことで、日本市場へのスムーズな適応と信頼構築が期待できる。
日本だからこそ伸びるビジネスモデル
- インフラ系B2B SaaS:既存システムを一気に置き換えるのではなく、段階的にアップグレードすることを好む日本企業の志向に合致している。
- ライセンス提供・技術実装モデル:システムインテグレーターや技術提供を通じて、日本市場を開拓。
- 時間をかけて関係性を構築する営業スタイル:日本における慎重かつ段階的な意思決定と相性が良く、忍耐強く信頼を築きながら、、顧客と課題を共有することでリスクを軽減。
日本市場で報われる起業家像
日本市場で成功するには、「信頼を設計し、忍耐でスケールする創業者」であることが欠かせません。少なくとも四半期に一度など、継続的に現地を訪問すること、共感を呼ぶ「Japan Story」を構築すること、そして日本独自のプロセスを尊重しながら一歩ずつ前進する姿勢こそが、驚くほど多くの扉を開いてくれます。
日本は、歴史的な深み・文化的な繊細さ・そしてイノベーションへの強い関心が共存する、ユニークな市場です。正しいマインドセットと、少しの「禅的視点」を持つことで、海外起業家にとって日本市場は「迷路」ではなく「可能性への道」へと変わっていきます。
Innovation Dojo Japanでは、海外スタートアップと日本企業の協業を促進するための情報や、新たなつながりを創出するイベント情報などを、LinkedInやニュースレターを通じて発信しています。ご関心のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください!