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大阪・関西万博「Event Salon Kansai in EXPO 2025」登壇レポート

大阪・関西万博のフューチャーライフヴィレッジ内「TEAM EXPOパビリオン」にて開催された、Peatix主催の特別イベント「Event Salon Kansai in EXPO 2025 〜イベント・コミュニティが生み出す共創の未来〜」にて、IDJのシニアプログラムマネージャーの村瀬加那子がパネルディスカッションに登壇。「海外スタートアップと日本企業が共創で真に成果を出すには」を軸に語りました。

2025年6月19日、大阪・関西万博のフューチャーライフヴィレッジ内「TEAM EXPOパビリオン」にて、Peatix主催の特別イベント「Event Salon Kansai in EXPO 2025 〜イベント・コミュニティが生み出す共創の未来〜」が開催され、「共創」をテーマに、各分野の専門家が実践に基づくノウハウや経験、現場で直面した課題とその克服方法などを、リアルなストーリーとともにシェアしました。

第6セッション「イノベーション × 共創〜共創の深化が切り拓く、未来のイノベーション〜」では、Innovation Dojo Japan(IDJ)シニアプログラムマネージャーの村瀬加那子が登壇。DJの強みである「クロスボーダー協業」支援におけるインサイトを紹介しました。

海外スタートアップと日本企業が共創で真に成果を出すには:

1.商習慣の違いを認識し、スピード感や承認・信頼形成のプロセスを調整する:

海外スタートアップと日本企業では、交渉や意思決定の前提が根本的に異なります。日本企業は慎重かつ多段階の承認プロセスを重視する傾向があり、一方スタートアップは「スピード重視」「試して調整する」文化が根強くあります。

.言葉のニュアンスの見落とし:

海外企業の「Yes」は「了承・合意」を示す一方で、日本企業の「Yes」は「前向きに検討しますね」という礼儀的表現の場合があります。この微妙な表現のズレは、期待やゴールのすれ違いにつながることもあるため、納得度の確認や曖昧な表現の明文化が不可欠です。

.期待値調整(Expectation Management)の極意:

クロスボーダー協業では、初期段階からのプロセス設計が非常に重要です。ゴールより、まずは合意形成のステップを重視し、進行そのものに時間をかけることで後のギャップを防ぎます。「いつ、どの程度の成果を」「どう共有するか」を事前に取り決めることで、摩擦を軽減できます。

Innovation Dojo Japan(IDJ)はオーストラリア発、日本を拠点とするアクセラレーターとして、以下の強みを持ちます:
  • 官民学のグローバルネットワーク:オーストラリアを含む主要国の大学・政府機関・産業界、スタートアップに幅広いネットワークを有し、産学官連携プログラム実績を誇ります。
  • 商習慣・文化の理解を深めたファシリテーション:海外VCや、国内外の政府機関、あらゆる業界での経験を有するバイリンガル・バイカルチュラルなメンバーが、日本企業と海外スタートアップ双方の文化や慣習に精通したブリッジ役を担っています。
  • 段階的な協業フレーム設計:PoC開始から成果検証・本導入までを段階的に設計し、信頼と実績の積み上げを伴走。
  • 協業後のフォロー体制:協業後も継続的に成果をモニタリングし、必要に応じたサポートや戦略的メンタリングも提供。

海外スタートアップと日本企業が真に成果を出すには、「違いを知り、調整し、関係を育む」プロセスが不可欠です。クロスボーダー協業は決して成果だけが目的ではありません。目に見える成果よりも、価値のある協業プロセスそのものをデザインし、実現していく姿勢こそが、最終的なイノベーションを生む骨組みとなります。

Innovation Dojo Japan は、クロスボーダー協業支援に特化し、全体の設計・支援者としての立場から日本のイノベーションをますます加速させていきます。

村瀬 加那子

シニアプログラムマネジャー。国内大手総合電機メーカーで海外営業を担当後、4大コンサルティング会社勤務を経て、メルボルン総領事館にて日系企業の海外進出支援、ビジネスマッチングを担当。その後、豪州名門大学において、大学と海外企業との研究開発連携やスタートアップ支援を手掛け数多くの研究連携やライセンシング契約を成約に結び付けた経験を持つ。日豪関係発展に熱意があり、2019年日豪若手対話代表に選ばれ、現在はコミッティーを務める。

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4月4日 金曜日、立命館大学 大阪いばらきキャンパスと@Venture Café Tokyoのご協力のもと、日本企業におけるスタートアップ連携やオープンイノベーション戦略をテーマにしたセッションを開催しました。

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