Innovation Dojo

「産学官連携ベンチャー・エコシステムの創成」における、国内プログラムおよび「第2回 国際学生起業家会議」を実施しました。

このたびInnovation Dojo Japan合同会社は、関西国際大学が中心となり、世界5ヵ国の大学で実施する海外共同プロジェクト「産学官連携ベンチャー・エコシステムの創成」における、国内プログラム(以下、本プログラム)および「第2回 国際学生起業家会議」を神戸市内にて実施しました。

■実施期間:2023年7月3日(月)〜2023年7月13日(木)(7月9日(日)を除く)

■実施場所:

  • 関西国際大学山手キャンパス(講義・グループワーク)
  • アンカー神戸(イベント・ワークショップ)を中心とした神戸市内
  • その他近隣地域(関西国際大学尼崎キャンパス、大阪市内)

■国内大学の参加者:関西国際大学(12名)、神戸芸術工科大学(1名)

■海外大学の参加者:英国:キール大学(3名)、インド:デリー大学サウスキャンパス(4名)、オーストラリア:ウエスタン・シドニー大学(9名)、カナダ:バンクーバーアイランド大学(3名)

本プログラムは、当社が企画・運営し、ウェスタン・シドニー大学の起業家教育カリキュラム「Venture Makers」の要素と、当社が持つ国境を越えたイノベーションと日本のスタートアップエコシステムのネットワークに関する専門性を融合しています。本プログラムは産官学間連携の理解を通じ、起業やスタートアップで働く際に活用できるアントレプレナーシップ(起業家精神)、そのスキルやノウハウを身につけることを目的としております。

プログラムの前半では、新しいビジネスを創造することを目的に、企業パートナーのご協力のもとアイデア発想ワークショップを開催しました。アイデア発想ワークショップを通じて、各企業のイノベーションにおける取り組み内容を理解することに加え、アイデア発想に役立つ手法を学ぶ機会となりました。

このようなワークショップ以外にも、現役で活躍する外国人起業家を講師として招き、起業における基本知識である1)アイデアの検証方法、2)市場・競合調査、3)顧客ターゲットの選定、4)ビジネスモデルの確立、5)日本市場の独自性を中心に講義が行われました。

国内外の学生が協働し、実際にグループごとでアイデア創造からピッチ準備を行い、最終日の国際学生起業家会議ではピッチを披露しました。

  • オープニングイベント(アンカー神戸)

企業ワークショップ(TOA株式会社、アンカー神戸、アストラゼネカ株式会社、エム・シーシー食品株式会社)の各担当者から、事業概要やワークショップの開催テーマについて紹介が行われた。

  • TOA株式会社ワークショップ(アンカー神戸)

 「未来の生活環境におけるサウンドデザインを考える」をテーマに企業ワークショップを実施。特定エリアのみに音を届ける指向性スピーカーと、空間収録した音を複数のスピーカーで再現した音空間を体験し、TOA株式会社の技術を活用して、人が心地よいと感じる音空間をどのように創造できるかについてディスカッションを行われた。

  • スタートアップ基本講座(関西国際大学山手キャンパス)

 香川県にてITコンサティング事業を運営する現役起業家のラールス・ローソン氏を講師として招く。スタートアップのビジネスモデルを検討するためのフレームワーク「リーンキャンバス」の考え方、その活用方法について講義を実施。

  • アストラゼネカ株式会社ワークショップ(アストラゼネカ株式会社、大阪オフィス)

 「未来の医療、ヘルスケアについて考える」をテーマに企業ワークショップを実施。アストラゼネカ株式会社が運営するコミュニティ「i2.jp」を通じた取り組みや、スタートアップとの協業事例を学ぶ機会となった。グループワークでは、各グループにて、①病気予防及び病気の発見、②診察と治療、のいずれかから関心のあるテーマを選択肢し、改善すべき点の特定と改善方法の具体案に関するアイデア発想を行った。

  • ナレッジキャピタル視察(グランフロント大阪)

 グランフロント大阪の中核施設であるナレッジキャピタルへ訪問。コンセプト「OMOSIROI」を中心としたイノベーション創出に関する取り組みや運営体制について学ぶ。また、施設ツアーとして会員制の交流スペースである「ナレッジサロン」や、大学や研究所、企業が製品化する前のアイデアや試作品を展示するスペース「アクティブラボ」の見学を行うことで、ビジネスや最新技術に触れる機会も提供。

  • アンカー神戸ワークショップ(アンカー神戸)

コミュニティスペースの効果的な利用のため、「協創を促進するアイデア」をテーマにワークショップを行った。アイデア発想の手法として、複数人で回覧板式にアイデア発想シートを回して、アイデアを引継ぎ合いながら広げていく「ブレインライティング手法」を活用し、神戸の姉妹都市であるシアトルのコワーキングスペースとの連携や、会員同士のマッチングが可能なアプリなど様々な視点からのアイデアが生まれた。

  • エム・シーシー食品株式会社ワークショップ(関西国際大学尼崎キャンパス)

 エム・シーシー食品株式会社の企業概要や既存商品についてプレゼンテーションが行われた後、「大阪万博に向けたインバウンド顧客の市場開拓」をテーマに、アイデア発想の切り口として「旅行先での食事において直面する課題・トラブル」についてディスカッションを行った。実際に既存商品であるレトルトカレーやパスタソースを試食し、異文化における同社の今後のあり方を検討した。

  • 神戸ハーバーランド観光

 神戸ベイクルーズ「御座船安宅丸」に乗船し、神戸港内を周遊しながら川崎重工、三菱重工の造船所や、海上自衛隊の潜水艦などを約40分間のツアーで見学した。

7月13日(木)に関西国際大学(神戸山手キャンパス)にて開催された第2回国際学生起業家会議には、協力企業のTOA株式会社やエム・シーシー食品株式会社のほか、神戸市や一般社団法人ナレッジキャピタル、関西国際大学の学生、プログラム参加者も含めて、総勢約70名が参加しました。本プログラムに参加した32名の学生、計7グループによるピッチが披露され、その内、3グループがアワードを受賞しました。

また本プログラムが、異文化環境における協働や協力の機会となり、グローバルな視点で起業家精神を学ぶ場となった事がわかりました。(以下、一例)

  • 個人的には、前半の1週間が、グローバルな考え方に触れ、起業家としての好奇心を高め、自信を持って行動するマインドを養うことに大いに役立ちました。(キール大学学生)
  • こんなにしっかりとしたグループワークが出来ると思っていませんでした。英語のスキルも今まで以上のものになって勉強になりました。(関西国際大学学生)
  • 企業ワークショップなど、毎回新しいグループで行ったディスカッションは、いろいろな人と交流し、異なる国から来た学生同士の緊張を和らげるのに本当に役立ちました。(デリー大学学生)
  • 起業家という新しい視点および、海外の考え方に触れ、私の価値は180度変わったような気がします。これからの人生ですごく役に立つと思います。(関西国際大学学生)

Innovation Dojo Japanは、本事業の推進により、教育機関における起業家教育の推進および、国内スタートアップ・エコシステムの発展に引き続き貢献してまいります。

後藤田 萌

神戸出身、アメリカ育ちのバイリンガルで、オフィス業務やコミュニティのマネージャーとして豊富な経験を有する。

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