Innovation Dojo Japan は大阪大学と連携し、博士課程の学生と若手研究者を対象にしたキャリアウェビナー 「From Research to Entrepreneurship」 を開催しました。
弊社代表の Joshua Flannery、シニアマネージャーの村瀬加那子、そして大阪大学准教授の Clement Angkawidjaja が登壇し、「研究成果を社会につなげる選択肢の一つとして、起業をどのように考えるか」をテーマに意見を交わしました。実際の事例を紹介しながら、研究の道を進みつつ新たな力を身につけていくことの意義について、参加者とともに理解を深める時間となりました。

研究者が「起業」に対して感じる不安
セッションの中で繰り返し語られたのは、多くの研究者が起業に関心を持ちながらも、アイデアの有無ではなく、心理的なハードルによって一歩を踏み出せずにいるという点でした。
とくに次のような課題が挙げられました。
- 「自分は起業家向きではない」という意識
- これまで積み重ねてきた研究の道が変わってしまうのではないかという不安
- リスクを過度に大きく捉えてしまうこと
一方で、博士課程の学生や研究者は、すでに次のような強みを備えていることも紹介されました。
- 最先端の研究成果
- 学術分野での信頼
- 研究費などの支援
- 十分に試行錯誤できる時間
また、本当のリスクは早く挑戦することではなく、検討を先送りするうちに選択肢が狭まってしまうことだという指摘もありました。起業は今すぐ会社を立ち上げることだけを意味するものではなく、将来の可能性を広げる力として、少しずつ学びながら備えていくこともできるという考え方が共有されました。
研究を事業につなげるためには
日本で研究成果を社会に届けるためには、大学ごとに異なる制度や文化を理解することが欠かせません。セッションでは、次のような点が重要な要素として挙げられました。
- 知的財産の取り扱い方針
- 研究の成熟度
- 事業化に向けた準備状況
- 言語面での対応
- 学内での意思決定の流れ
- 大学と企業の考え方の違い
こうした前提を早い段階で把握することで、自身の目標と所属機関の環境の双方に合った進路を描きやすくなります。
Black Belt Global Venture Studio が大切にしている考え方
これらの視点は、Innovation Dojo Japan が展開するプログラム、Black Belt Global Venture Studio(BBV)の設計において重要視している以下の点とも重なっています。
- 課題起点で考えること
- 事実やデータをもとにチームを組むこと
- 小さく試しながら検証すること
- 起業しない選択も尊重する姿勢
- 成果より学びを重視する考え方
研究者が安心して挑戦できる環境と明確な枠組み、そして現実的な期待値が与えられることで、起業に至るかどうかに関わらず、意思決定の質は大きく高まります。
Innovation Dojo Japan は今後も、研究と社会をつなぐ存在として、研究者一人ひとりが自分らしい進路を描けるよう支援してまいります。



